震災遺構「荒浜小学校」見学レポート ~子どもたちが学んだ大切なこと~

震災の教訓を次世代へ
2011年3月11日に発生した東日本大震災で校舎2階まで津波が押し寄せ、大きな被害を受けた仙台市立荒浜小学校。震災当日、児童や教職員、住民ら320人が避難したその校舎は、現在震災遺構として公開され、震災の教訓と地域の記憶を後世に伝えています。
インクルの子どもたちと一緒に、この貴重な学びの場を訪れました。

屋上での体験「ここまで逃げたんだね」
屋上から荒浜地区全体を見渡しながら、海との位置関係を確認しました。子どもたちは「海が近いね」と、当時避難した人々の気持ちに思いを馳せていました。被災前後の風景写真を見比べながら、「前はお家がたくさんあったのに」という素直な感想も聞かれました。

子供達の災害意識向上を目指して
地震発生から避難、津波の襲来、救助されるまでの経過を写真や映像で学習しました。特に印象的だったのは、子どもたちが災害への備えについて真剣に質問していたこと。「お家に防災グッズはある?」など、学んだことをすぐに自分の生活に置き換えて考える姿が見られました。
荒浜地区の歴史や文化、荒浜小学校の思い出についても紹介されており、「この学校で勉強していた子どもたちもいたんだね」と、同世代への共感を示していました。
校舎1階・2階「津波ってこんなに怖いんだ」
校舎の被害状況や被災直後の様子を伝える写真を見ながら、津波の脅威を実感しました。2階まで水が来たという事実に、子どもたちは言葉を失っていました。「車も流されちゃったんだ」「泥だらけになっちゃった」など、被害の大きさを自分なりに理解している様子でした。

継続的な学びの大切さ
震災から14年が経過し、当時を知らない子どもたちが増えています。だからこそ、このような体験学習を通じて震災の記憶と教訓を伝えていくことが重要だと考えています。 インクルでは今後も、子どもたちの成長と学びにつながる様々な体験活動を企画してまいります。社会の一員として、地域の一員として、子どもたちが健やかに成長できるよう支援を続けてまいります。