近年、この愛着の子育てやアタッチメントというワードを耳にすることも増えたのでは無いでしょうか?この愛着というのが子どものあらゆる発達段階においてとても重要であるということが分かっています。
今回はその愛着の子育ての重要性とそのやり方を具体的にお話ししていきたいと思います。
参考図書
愛着の子育て 生き抜く力を育む
ダニエル・J・シーゲル、ティナ・ベイン・ブライソン 著
桐谷知末 訳
愛着の子育ての重要性について
ここでまず、前提として言っておきたいのは「完璧な親なんて存在しない」ということです。全ての親が間違えるし、真面目で子ども思いな親御さんであればあるほど、あんな対応でよかったのかな?これでよかったのかな?と考えてしまいます。
子育てに正解はありません。しかし、あらゆる発達に関する研究でこれが大事だよねと共通認識になっているもの、それが「愛着(アタッチメント)」です。幸福度、社会的・情緒的発達、リーダーシップ、コミュニケーション能力、さらには学業や仕事での成功などの面から子どもがどう育つかの最も良い判断材料は、少なくとも1人の大人と確かな愛情を築けたかどうかであることがはっきり示されています
愛着の子育て4つのS
そんな、愛着の子育てには4つのSが大切だと言われております。
- 安全であること(Safe)
子どもは、自分が危険から守られ、身体的にも精神的にも保護されていると感じ・知る必要がある。安心だと感じられることが大事。ここで注意しなければならないのが、親が間違ったことを言ったり、気持ちを傷つけることを言ってはいけないというわけではないということ。例え傷つけあったとしても、その関係を修復してあげること。どんなにキツイ言葉を投げかけあっても、元通りの関係に戻れて愛されているということが分かることが大事。とにかく修復することに意識を向けてみてください。 - 見守られていること(Seen)
見守るというのは、量的に多い時間を過ごすというのはもちろん大事ですが、最重要なのは、子供の感情までしっかりと読み取ってあげることです。外面的な行動のみでの判断ではなく心に意識を向けていけば「気持ちが伝わる」という感覚を覚えて、寄り添って見守ってくれている。深い安心感につながります。研究で明らかになったところによると、親が子どもの心を見守っていれば、子どもは自分で自分の心を見守れるようになる。その能力を〝マインドサイト〟と呼ぶ そうです。 - なだめられていること(Soothed)
子どもは、親に見守られ、辛いことがあったらなだめてもらえる。というのが愛着の大きな要素としてあります。ここで勘違いしていけないのが、子供に降りかかる壁や火の粉を親が消し去ろうとしてはいけません。大事なのは「子どもから必要とされた時にそばにいること」です。辛い時に寄り添ってくれる親がいる。大人がいる。これが愛着の形成に大きな要素になります。人生には苦痛があるということは逆に教えてあげなければならないです。そして同時に、1人で苦しまなくてもいいんだよ。と教えてあげることが大事なのです。 - 安心していること(Secure)
ほかの3つのSが形成されていれば、子どもは強い安心感の中で発達のステップを踏んでいけます。関係を修復することができ、見守ってくれていて、大変な時には寄り添ってくれる。そんな心の根っこがその子の愛着の基盤になっていき、それが強力な安心感につながり、その安心感がその子供を一生守り続けてくれます。そして、子どもは自ずと生き抜く力を身につけていってくれるのです。
この4つのSを意識していけば、子どもとの間に「確かな安定した愛着」を築いていけます。それが子どもを健全で安全な発達へと導いてくれるのです。
完璧である必要なんてありません。何一つ間違えずに子育てなんてできません。完璧な子育てよりも、いつでも寄り添ってくれると当てにできる存在になりましょう。