毒親について徹底解説!

株式会社ChillDogが運営する児童発達支援事業所「インクル」です。

今回は毒親について記事にしたいと思います。

毒親とは?

毒親という言葉が生まれたのは、1989年です。今から34年程前、スーザン・フォワードさんによって作られました。スーザン・フォワードの著書『毒になる親 一生苦しむ子ども』(講談社刊、玉置悟訳)が話題となり、この本をきっかけに生まれた俗語だとされています。毒親の意味は、毒のように子どもに悪影響を及ぼす親、子どもが厄介と感じるような親というものです。

具体的にいうと以下のようなものが当てはまります

  • 虐待、ネグレクト
  • 過保護、カーリングペアレント
  • 毒親、モンスターペアレント、ヘリコプターペアレント

子どもに暴力を振るったり、愛情を注がず罵倒したり、無視したり、養育を放棄したり、性的虐待を行ったりと、子どもに深刻な悪影響を与える虐待行為をするのは、ひどいレベルの毒親でしょう。また、こうした誰の目にも明らかな虐待行為ではなく、子どもの個性を認めなかったり、子どもの気持ちや考えを軽視したり、子どもが安らぐ家庭環境を与えないことも毒親といえるかもしれません。

毒親育ちの人の特徴とは?

毒親のこうした態度に翻弄された子どもは、大人になってもその影響が色濃く残ることが多く、他者との関係性など、その後の人生において毒親に端を発する悩みを抱えていくことになってしまいます。

毒親育ちの人には、次のような特徴があります。

  1. 自分を大切にできない。
  2. 人や物、行為に依存しやすい。
  3. つい人の顔色を伺ってしまう。
  4. 楽しんでいる自分に罪悪感を覚える。
  5. 指示待ち族で、自発的に行動できない。
  6. 周囲の期待に応えようとして、無理をしがち。
  7. 言いたいことややりたいことがあっても我慢してしまう。

毒親チェックリスト

  • 子どもを管理する
    学校生活から友人関係、身につけるものや読むもの聴くもの食べるものまで、必要以上の厳しさで子どもを管理したり、習い事を渡り歩かせて子どもを振り回し、期待に沿わない場合は責めたりしていませんか?
    家ではいい子なのに、外での態度を先生から注意された。そんな子どもの様子の原因は、親の理想像から外れないよう、厳しくしつけられていることへの反動の可能性もあります。
    子どもは親に愛されたいと「いい子」を目指しますが、親が望む「いい子」になれないとストレスを感じ、日常自分が受けている「命令」「指図」「禁止」を自分より弱い相手に向けて発散し、心のバランスをとろうともしかねません。不満の発散や、他者をおとしめることによる自尊感情の維持を狙うのです。
  • 子どもを支配する
    子どもが従順で、自分の期待に応えれば機嫌がよく、そうでなければ厳しい言葉で責め、何らかのペナルティを課す。子どもを怖がらせてでも言うことを聞かせようと命令や指図をする。
    子どもの好奇心は困ったことと捉え、子どもの興味や行動しようとすることに対し、あれはダメ、これもダメ、触ってはダメと禁止する。無邪気な子どもらしさを容認できず、早くから大人のようにさせたいと、監視の目を光らせるのも支配です。
  • 「あなたのため」と押し付ける
    子どものためと入れあげるのは、対象者のためではなく親自身のためではありませんか? 子どもの人生を自らの自己実現に利用していることに無自覚で、親子の間でどこまでが自分の領域で、どこから先が相手の領域なのかを意識できていないということ。
    しっかりやりなさい!負けるな、頑張れ!と子どもを追い立てるのも、親の願望や期待、世間体といったものを押し付けて努力を強要していることの表れです。
  • 過保護で子離れできない
    ちいさな子どもは無条件に親を愛しますが、思春期を迎えるとそうもいかなくなる。そこで、身の回りのことを「してあげる」ことで自分に依存させ、必要とされることで自己肯定感を得られる時間を長引かそうとするのは、過保護です。
    また、親離れと子離れは、子どもの成長に伴い少しずつ進んでいくものですが、親のほうが子離れできてないと過保護になりがちです。
    子どもが離れていくと、親としての自分が存在価値を失うという恐怖にとらわれて、子どもが親から自立しようと自分の思い通りにならなくなったとき、自分が被害者かのように振るまってしまうこともあります。自分を頼ってもらえなくなるさみしさにどう対処していくべきか、は親自身が処理すべき問題でしょう。
    自立に向かうわが子をあの手この手で引き留めようとするママの子離れのできなさは、親子の深刻な断絶をもたらす危険性が高くなります。
  • 子どもへ呪いの言葉をぶつける
    「あなたさえいなかったら」という台詞や、結婚への後悔や自分が生きられなかった人生といった悩みを、子にぶつけるのも呪いの言葉になりえます。
    特に、母と娘の関係において、娘は「母の期待に応えなければ」と頑張り続け、母の寂しさを埋めるために「パートナー」や「親友」の役割を担おうとします。こうした娘の“やさしさ”は母の執着をエスカレートさせ、母娘双方の精神的自立を台無しにしてしまうのです。
    母と娘であっても母と息子であっても、親子という関係は生涯変わりません。子どもは親のカウンセラーでもなければ、友人、親がわりにもなれないことを忘れてはいけないのです。
    親の役目は、子どもが自分自身を肯定し、他人や社会も受け入れられるような愛情を与えてあげること。自立心の妨げにならないよう注意しながら、身につけていくべき基本的な知識を教えていくこと。また、可能なかぎり自由に人生の選択ができるような環境を整えて、自立を支えてあげることです。
  • 子どもに罪悪感を植え付けようとする
    子に「罪悪感」を抱かせるのも、毒親の特徴です。いつまでも自分の庇護が必要な子どもであってほしいため、ひとりの人間として子に向き合うのではなく、支配する親として君臨したいのです。
    たとえば、「やりたいことを我慢して、あなたを育ててきたのに」。
    これは母の希望と違う進路を選んだときなどに、ついてくる言葉ですが、「人生を犠牲」にした母のために、母の希望に添って生きることが正しいのでしょうか?
    「お母さんができなかったことをあなたにしてほしいの」。人格も興味も能力も違い、生きる時代も違う子が、なぜ「母のやりたかった夢」を叶えなければならないのでしょうか?
    「あなたさえいてくれれば、もう何もいらない」。これは「他の関係をあきらめたのだから、私のそばにいて」という大胆な要求を突きつけているわけです。
    こんなことを言われては、子どもは罪の意識を伴うことなしに、自分の人生を生きることができません。
  • 就職・恋愛・結婚に過度に口をだす
    就職は子育ての最終評価が決まる場所と捉え、子どもの就職セミナーに親が参加することも。異性関係や結婚生活、出産や孫育てまで、どこまでもアドバイスしたくて仕方がない、そんなことはありませんか?
    一人の人間として精神的に自立しきれずに発せられるさびしさから、親が子育てに執着してしまうと、子の人生に干渉し続けてしまいます。それを言うことが「子のためになる」と真剣に信じていますが、その気持ちは苦しいプレッシャーとなり、子ども自身の意志を狂わせていきます。
    母にとっては、娘が自分と同じ道を歩めば、自分はいつまでも娘の上に立てます。自分の生き方を娘に肯定してもらった気持ちにもなるでしょう。「私のように生きなさい。ただし、私より幸せになってはいけない」というメッセージを無意識に送り続けているのです。
    「お母さんの言うとおりにしていれば間違いない」。
    進路や人生設計をすべて「お母さんの言うとおり」にすれば、本当に幸せな一生を送れるのでしょうか? そうでなければ、不幸になるのでしょうか?

毒親になる原因と対処法

なぜ、毒親が生まれてしまうのでしょうか?様々な要因があり一概には言えませんが、親自身が寂しさを抱えていることなど、精神的に自立しきれていないことが原因と考えられるケースが多いようです。親自身の人生に深く根差した問題であるとも言える訳です。

  • 夫婦関係が冷え込んでいる寂しさを埋め合わせるため、子どもとの関係に執着して過干渉になってしまう。
  • 子どもを尊重すべき別人格として認識できておらず、精神的一体感を求めてしまう。
  • 子育てを自分の自己実現の一環として捉えていて、なんでも自分の言う通りにさせようとする。

そこで大切なのが、
小児精神科医であるウィニコット博士が「発達段階理論」の中で、「Good enough mother」=”ほどよい母親”という言葉を提唱しています。

子どもに没頭し過ぎることなく、頑張るけれど、頑張り過ぎない子育て。それが、子どもにとっても居心地のいい環境です。

日本ではこれまで、母親が自分を犠牲にして、子どもや家族のために尽くす姿が「よい母像」として強調されてきました。「いい子」を育てる「お母さん」は、賢母として社会的に承認されやすく、度を越した母親のヘドロのような葛藤も「頑張ってるわね」と褒められるタネになり、精神のバランスを崩せば「頑張りすぎて可哀相に」とねぎらわれる。そのことが、子育てに没頭し、生きがいとする母親を生む土壌であったのかもしれません。

子育てのゴールは、子どもが自分に必要な人間関係を自ら築き、親がいなくても自分で生きていけるようになること。子どもには子どもの人生があり、そのことを尊重していかなければならないのだということを心得るべきでしょう。

子どもに毒親だと言われてしまった・・・-

自分の子どもから、毒親だと言われて困っている親御さんが少なくないそうです。ですが安心してください。毒親だ!!と言われたそれは、「本物の毒親は、子どもから毒親などと言われるようなことは、まずない」ということです。

本物の毒親は、子どもをマインドコントロールしています。
本物の毒親は、子どもに恐怖心を植え付けています。

よって、本物の毒親は、子どもに「毒親だ」なんて言葉を吐かせるようなことはしません。そして、子どもも、親が怖くて、毒親に向かって「毒親だ!」なんて言葉は、よう言いません。

ですから、毒親だなんて子どもから言われるような親は、高確率で毒親じゃないということが言えるかと思います。

       おしょー監督のプロフィール写真(大友頌平)
           
おしょー監督(大友頌平)
株式会社ChillDog代表。国内エアラインの航空整備士・フリーランスエンジニア・カメラマン・動画クリエイター・エンジェル投資家の付き人など20代で多様な領域を経験。数多の失敗から人に支えられることの素晴らしさに気づき、自らが誰かの力になるべく福祉事業へと参入